中部大学に研究室を立ち上げてから10年以上経過しました。
この間に卒研生を100名近く輩出し、うち20名以上が他大学を含めて大学院に進学しました。もうそろそろ就職先でも中堅になっているころです。機器分析を行っている所為か、分析関連の企業への就職が多い気がします。毎年秋のJASISでは、同窓会が開けるくらいだと聞いたことがあります。
2007年暮れの中国製の冷凍餃子事件を引き金とした「食品事件」が多発したころは、消費者の食の安心・安全に対する要望が強く、食品分析に対する誇りもありました。しかし今は、食品中の微量存在する「あぶないもの」、農薬やカビ毒を見つけ出しても誰も褒めてくれません。消費者のリテラシー能力は向上し、国が定めた基準値の意味を理解し始めました。メーカーにとっては邪魔者以外何物でもありません。
折角持っている分析技術を活かす方法を模索しています。他分野との協合、境界領域への進出、なりふり構わず手を広げています。