ガスクロマトグラフ(Gas Chromatography: GC)
大気、室内空気中の悪臭、におい分析を始めとする幅広い用途に使用される環境分野では最も馴染み深い分析装置の一つである。
1952年のJames & Martin による gas-liquid chromatography の開発以降、水素炎型検出器、キャピラリーカラムなどの開発やマススペクトロメトリー検出器との結合に伴う分離、同定能力の飛躍的な向上が見られ、今日では成熟した分析装置の一つと見られている。
しかし、注入温度に制限がある、移動相の選択が非常に少ないなどの課題が存在する。
当研究室では
これら課題を解決することによりGCの新たな展開を目指している。
その一つが、試料注入口にセプタムを使わないインジェクターの開発である。
もう一つが、移動相の選択が非常に少ない課題を解決するために検討したモディファイア導入型ガスクロマトグラフの開発について述べる。
これら技術により、極性物質、高沸点成分を始め、GCでは困難とされた成分の分析も期待できる。