山本 敦 研究室

2006年度

  • Hiroshi Ito, Takashi Sugiura, Hidenori Nagai, Atsushi Murase, Shuji Kodama, Yoshinori Inoue, Atsushi Yamamoto, Kazuichi Hayakawa. 2007.Specific separation of polar analytes on a polar column by gas chromatography with carrier gas containing vaporous modifiers.GCのキャリアガス中に揮発性有機物を導入することによって被検種の保持時間変化やピーク形状の改善が認められた.今回は、ギ酸をモディファイアとして使用した場合の熱力学的考察を試みた.Chromatography, accepted.
  • Tomoko Kemmei, Shuji Kodama, Atsushi Yamamoto, Yoshinori Inoue, Kazuichi Hayakawa. 2007.Determination of low-level ethylenediaminetetraacetic acid in water samples by ion chromatography with ultraviolet detection.金属の錯化洗浄などで工業的に多量使用されているキレート剤の環境動態を調べる目的で、EDTAをオンカラムで鉄錯体として高感度に吸光度検出するHPLC系を構築した.Chromatographia, accepted.
  • Mikiya Ohto, Shuji Kodama, Atsushi Yamamoto, Yukio Saito. 2007.Determination of dieldrin in wool products by gas chromatography with microwave-assisted extraction.過去に殺虫剤として使用されたディルドリンは、その安定性から未だに広く環境中に残存している.毛糸に使用されたディルドリン残留量を簡便に抽出・測定可能な分析法を開発した.J.Sep.Sci., in press.
  • Shuji Kodama, Sen-ichi Aizawa, Atsushi Taga, T. Yamashita, Atsushi Yamamoto. 2006.Chiral resolution of monosaccharides as 1-phenyl-3-methyl-5-pyrazolone derivatives by ligand exchange capillary electrophoresis using borate anion as a central ion of the chiral selector.単糖をCEで光学分割することに成功した.試料はピラゾロン誘導体に変換させてUVラベル化し、ホウ酸を不斉中心に用いることでマンノース、ガラクトース、フコースの光学分離は可能であったが、グルコースやキシロースは分離されなかった.Electrophoresis, 27, 4730-4734.
  • Hiroshi Ito, Kazuichi Hayakawa, Atsushi Yamamoto, Atsushi Murase, Kazumi Hayakawa, Minoru Kuno, Yoshinori Inoue. 2006. Development of septum-free injector for gas chromatography and its application to the samples with a high boiling point.GC装置での試料高温導入を可能にするセプタム-フリーインジェクタの改良を行なった。その結果、高沸点成分がGCで高精度に測定できることを明らかにした.J.Chromatogr.A, 1132, 256-259.
  • Sen-ichi Aizawa, Atsushi Yamamoto, Shuji Kodama. 2006.Mechanism of enantioseparation of DL-pantothenic acid in ligand exchange capillary electrophoresis using diol-borate system.ジオール・ホウ酸錯体を不斉中心とする光学分割について、パントテン酸との錯体の11B NMRスペクトルを分子軌道法で解析することによって解明した.Electrophoresis, 27, 880-886.
  • 塚本友康・井上嘉則・上茶谷若・山本 敦.疎水基の結合部位に特異的官能基を有するポリマー系逆相充填剤における保持挙動,2006年5月,第67回分析化学討論会(秋田).ポリマゲル充填剤に様々な様式でC8官能基を導入したカラムを調製し,それぞれについてLCカラムとしての分離選択性を評価した.
  • 伊藤 宏・早川和一・山本 敦・村瀬 篤・早川和美・久野 稔・井上嘉則.セプタムフリーGCインジェクターの開発(その7 香料試料への応用),2006年5月,第67回分析化学討論会(秋田).ガスシールによってセプタムが不要な試料導入装置を使って香料成分の分析をGCで行なった
  • 伊藤 宏・井上嘉則・山本 敦・杉浦隆史・村瀬 篤・早川和一.モディファイア導入型ガスクロマトグラフ,2006年5月,第67回分析化学討論会(秋田).GCのキャリアガスに揮発性有機物を導入することで、被検種の保持挙動、ピーク形状が変化することを明らかにした.
  • 永井秀典・山本 敦・伊藤 宏・村瀬 篤・井上嘉則・早川和一.モディファイア導入ガスクロマトグラフ―キャピラリーカラムへの適用,2006年9月,日本分析化学会第55年会(大阪).我々の開発したモディファイア導入装置をキャピラリーGC/MSへ適用した.
  • 塚本友康・井上嘉則・上茶谷若・山本 敦.小島 瞬・岡嶋晃子.疎水基の結合部位に特異的官能基を有するポリマー系逆相充填剤における保持挙動 (2),2006年9月,日本分析化学会第55年会(大阪).逆相型カラムの官能基の導入法の違いによる分離選択性を比較することが目的であるが、官能基の導入量が少ないことが判明した.そこで、官能基導入法の検討を行なった。
  • 伊藤 宏・早川和一・山本 敦・村瀬 篤・早川和美・久野 稔・井上嘉則.セプタムフリーGC用インジェクターの開発(その8 インジェクター内での熱安定性),2006年9月,日本分析化学会第55年会(大阪).高温試料注入を可能とするセプタムフリーインジェクターを使い,インジェクター内に触媒を挿入することでオンライン反応GCが可能となる.今回は,高温で優れた酸化還元活性を有する触媒の影響を調べた.
  • 小玉修嗣・會澤宣一・山本 敦・多賀 淳・山下智富・健名智子・齊藤行雄.還元性単糖誘導体のボロスピラン形成に基づくキラル分離,2006年9月,日本分析化学会第55年会(大阪).Electrophoresis誌投稿後の成果で、ピラゾロン誘導体では3種類の単糖の光学分割しかできなかったものが、アミノナフタレン誘導体化することでグルコース、アラビノース、キシロースも分割可能となった.
  • 塚本友康・長江徳和・井上嘉則・山本 敦.HPLCにおける移動相成分の逆相固定相への保持―溶媒和としての考察,2006年9月,日本分析化学会第55年会(大阪).逆相型HPLCにおけるカラム固定相への移動相有機溶媒の溶媒和の影響を、カラムとしてC1, C8, C18, C30を使い、溶媒の溶出位置(システムピーク)の比較より考察.
  • 上茶谷若・長江徳和・井上嘉則・塚本友康・山本 敦.イオン性・水溶性農薬のための新規固相抽出剤(その1)―2006年10月,日本食品衛生学会第92回学術講演会(春日井).官能基として疎水基とイオン交換基を併せ持つ充填剤を合成し、イオン性化合物の吸脱着特性を調べた.
  • 塚本友康・香村彰信・東山貴政・山本 敦・上茶谷若・長江徳和・井上嘉則.イオン性・水溶性農薬のための新規固相抽出剤(その2)―野菜中のアセフェート分析―,2006年10月,日本食品衛生学会第92回学術講演会(春日井).上記発表成果を踏まえ、疎水基と陽イオン交換基を併せ持つ充填剤で農薬アセフェートの固相抽出を試みた.アセフェート水溶液での吸脱着は定量的に進行したが、野菜抽出液では問題が生じた.
  • 山本 敦・川合美緒・坂本光徳・小玉修嗣. 新規旋光度検出器によるリンゴ酸の光学純度測定―リンゴジュースの偽和判定への適用―,2006年10月,日本食品衛生学会第92回学術講演会(春日井).波長可変の偏光度変調型旋光度検出器を構築した.これをリンゴジュース中のリンゴ酸光学純度測定へ適用した.得られた結果は、酵素法でのそれと良く一致した.
  • Tomoyasu Tsukamoto, Takamasa Higashiyama, Atsushi Yamamoto, Waka Kamichatani, Yoshinori Inoue.Development of ion-exchange type bimodal SPE absorbents and their adsorption and desorption properties, Nov. 2006, The 2nd China-Japan-Korea joint symposium on ion chromatography (Hangzhou, China).二官能基性固相抽出剤における農薬アセフェート抽出効率が,実試料で低下する原因は溶液のイオン強度であることが判明した.
  • Tomoko Kemmei, Shuji Kodama, Atsushi Yamamoto, Yoshinori Inoue, Kazuichi Hayakawa.Simultaneous analysis of aminopolycarboxylic acids in water by HPLC, Nov. 2006, The 2nd China-Japan-Korea joint symposium on ion chromatography (Hangzhou, China).11種類のアミノカルボン酸型キレート剤のHPLC一斉分析を試みた.逆相系カラムでこれら11種類の鉄錯体型の分離は困難であった.
  • Atsushi Yamamoto, Hisashi Hasebe, Yoshinori Inoue, Jun Oono, Yasuo Nakashima, Seiichi Suzuki.Cation saparation on a non-ionic diol-type column in combination with borate eluents, Nov. 2006, The 2nd China-Japan-Korea joint symposium on ion chromatography (Hangzhou, China).イオン交換基を持たないカラムを使ってイオンクロマトグラフィーを行なった.これは,カラム樹脂の表面の水酸基と移動相中のホウ酸が陰イオン型の錯を形成することを利用したもので,アルカリ金属が綺麗に分離できた.
  • Norikazu Nagae, Tomoyasu Tsukamoto, Atsushi Yamamoto, Yoshinori Inoue.A study of solvation phenomenon on an alkyl chain as a stationary phase for high performance liquid chromatography, Feb. 2007, Pittsburgh Conference and Expo2007 (Chicago, USA).逆相型HPLCにおけるカラム固定相への移動相有機溶媒の溶媒和の影響を、有機溶媒としてMeOH, EtOH, PrOH, MeCN, THFと変えた場合のシステムピーク溶出位置より考察.
  • 小玉修嗣・山下智富・健名智子・齊藤行雄・誉田佳孝・佐藤 睦・鈴木健太郎・寺島弘之・多賀 淳・山本 敦,ビール中におけるイソキサントフモールの光学分割,2007年3月,日本薬学会第127年会(富山).ビール中の生理活性物質の一つであるホップ苦味成分キサントフモールは、製造過程において環化して不斉炭素を有するイソキサントフモールへ変換される.そのイソキサントフモールの光学分割をCEで行なった.
  • 健名智子・小玉修嗣・山本 敦・井上嘉則・早川和一,HPLCを用いた水中アミノカルボン酸系キレート剤の一斉分析,2007年3月,日本薬学会第127年会(富山).2本の疎水基の異なる逆相カラムを接続することで,これら可能であった
  • 山本 敦・川合美緒・坂本光徳・小玉修嗣 ・早川和一.新規旋光度検出器の開発―円二色性と旋光度の同時検出―紫外部対応波長可変型旋光度検出器,2007年3月,日本薬学会第127年会(富山).我々が先に開発した偏光度変調型旋光度計をさらに改良を加え、円二色性と旋光度が個別に出力可能な光学系を提案する.