山本 敦 研究室

2011年度

  • Yoshinori Inoue, Waka Kamichatani, Mitsuru Saito, Yasuyuki Kobayashi, Atsushi Yamamoto, 2011 May, “Extraction and separation properties of hydrophilic compounds using novel water-holding adsorbents bonded with a zwitter-ionic polymer”, ジアリルアミン-マレイン酸共重合体のポリマーを官能基として導入した親水性相互作用発現型の抽出剤を合成し、その吸着特性を評価した。Chromatographia, 73, 849-855.
  • Kazuhisa Uchiyama, Mari Kondo, Rika Yokochi, Yuri Takeuchi,Atsushi Yamamoto, Yoshinori Inoue, 2011 Jul, “Derivative spectrum chromatographic method for the determination of trimethoprim in honey samples using an on-line solid-phase extraction technique”, 蜂蜜中の抗菌剤、トリメトプリムのためのオンライン固相抽出HPLC微分スペクトルクロマトグラフ法による簡易分析法を確立した。J.Sep.Sci., 34, 1525-1530.
  • 小林泰之、上茶谷若、井上嘉則、山本 敦、2011 Aug, 「リンゴ果汁中のパツリン分析への両性イオン性高分子を導入した親水性相互作用型固相抽出剤の適用」、ジアリルアミン-マレイン酸共重合体導入固相抽出剤を使ったリンゴ果汁中のカビ毒、パツリンの精製法を検討した。その結果、HPLC-UVによる1 ppbのパツリン分析が可能であった。分析化学、60, 635-640.
  • Atsushi Yamamoto, Toshio Miwa, Mio Kawai, Toshiyasu Tadokoro, Koichi Tsutsumi, Takanobu Sato, Shuji Kodama, Kazuichi Hayakawa, 2011 Aug, “Development of a variable-wavelength optical rotation detector in the ultraviolet region”, 分光用のグレーティングを遅相子とした時間軸位相変調型の旋光度検出器を構築した。本装置は紫外部に対応可能な高感度検出器であり、化合物によってはCD検出器を凌駕した。本論文はHot Article Awardを受賞した。Anal.Sci., 27, 799-803.
  • Waka Kamichatani, Yoshinori Inoue, Mitsuru Saito, Yasuyuki Kobayashi,Atsushi Yamamoto, 2011 Sep, “Counter-ionic effect on the separation of water-soluble compounds applying a hydrophilic stationary phase bonded with a zwitter-ionic polymer”, ジアリルアミン-マレイン酸共重合体導入固相抽出剤は、弱酸、弱塩基からなる両性イオンである。それらの対イオンが溶質の保持に及ぼす影響をこの抽出剤をカラムに充てんして評価した。カラム保持比は、移動相に添加する塩の陰イオン種に強く依存した。Anal.Sci., 27, 885-888.
  • Yasuo Nakashima, Seiichi Suzuki, Makiko Yamazaki, Yoshinori Inoue, Yuta Fukatsu,Atsushi Yamamoto, 2011 Sep, “Simultaneous determination of ionic and neutral preservatives by an inline dialysis-ion chromatography coupled with a hydrophobic ion exchange mixed mode column”, 食品中のソルビン酸、安息香酸およびパラベン類6種類を一斉に分析可能なIC系を構築した。これにインラインダイアリシス法を組み合わせることで分析の自動化を達成した。Anal.Sci., 27, 889-892.
  • Tomoko Kemmei, Shuji Kodama, Hironori Fujishima, Atsushi Yamamoto, Yoshinori Inoue, Kazuichi Hayakawa, 2012 Jan, “Determination of ethylenediaminetetraacetic acid in sea water by solid-phase extraction and high-performance liquid chromatography”, 活性炭固相抽出-HPLCによるキレート剤分析法を海水中のEDTA測定に適用した。EDTAは汚染源の川の流れに沿って沖合4 km付近の表層まで確認された。Anal.Chim.Acta, 709, 54-58.
  • 三輪俊夫・竹内優里・山本 敦・井上嘉則・上茶谷若・齊藤 満。新規抽出剤を用いた蜂蜜中のクロラムフェニコール分析への応用、2011年5月、第101回日本食品衛生学会学術講演会(東京)。大きな配向分極を持つシアノフェノキシ基を官能基とした固相抽出剤を用いて蜂蜜中の抗菌剤、クロラムフェニコールの簡易分析法を検討した。
  • 山本 敦。食品中の添加物・有害物質の選択的簡易分析法の開発、2011年5月、第1回オンレジン分析装置開発研究会(名古屋)。食品中の危害因子をオンサイトで迅速にスクリーニング可能なオンレジン蛍光分析法について概説した。
  • 三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・井上嘉則・齊藤 満。有機ハロゲン特異性固相抽出剤の開発とその選択性評価、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。ハロゲン化フェノールを導入した抽出剤のハロゲン化フェノール溶質に対する保持特性は、配向双極子-誘起双極子相互作用が大きく関与していることを明らかとした。
  • 健名智子・小玉修嗣・藤島裕典・山本 敦・井上嘉則・早川和一。小矢部川流域におけるアミノポリカルボン酸系キレート剤の分布、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。活性炭固相抽出-HPLC法によるキレート剤分析法を河川水中のEDTA, DTPA測定に適用した。その結果、EDTAは河川に普遍的に存在し、DTPAは汚染源の下流に局在することが確認された。
  • 小玉修嗣・多賀 淳・會澤宣一・誉田佳孝・鈴木健太郎・山本 敦。キャピラリー電気泳動法によるリポ酸の光学異性体分析、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。泳動緩衝液にトリメチル--CDを添加したキャピラリー電気泳動装置により、リポ酸が光学分割されることを見出した。
  • 梶原健寛・上茶谷若・井上嘉則・齊藤 満・加賀谷重浩・小林泰之・山本 敦。両性イオン型高分子混合繊維状吸着材における水溶性化合物抽出に及ぼす担持金属の影響、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。ジアリルアミン-マレイン酸共重合体を導入した繊維状の吸着材に各種金属を担持させ、溶質の吸着特性を評価した。
  • 上茶谷若・井上嘉則・梶原健寛・齊藤 満・小林泰之・山本 敦。構造の異なる両性イオン型高分子を結合させた固定相における水溶性化合物の分離特性、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。ジアリルアミン-マレイン酸共重合体、およびアミンと酸の組成比の異なるN-メチルジアリルアミン-マレイン酸共重合体を導入した吸着剤を合成し、溶質の吸着特性を評価した。
  • 三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・上野英二・井上嘉則・齊藤 満。新規に合成した選択的固相抽出剤の農薬205種に対する抽出特性とその評価、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。各種新規固相抽出剤に種々の溶媒で調製した205農薬を負荷して保持特性を評価した。その結果、配向分極の大きな官能基を有する抽出剤は、フェニルウレア農薬に対して高選択性を示した。
  • 高井里奈・斎藤 勲・山本 敦・東海林秀典・加藤祐史・井上嘉則・齊藤 満。クレンブテロールに特異的な新規化学発光法の開発とオンレジン分析への適用、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。硫酸セリウムを用いた亜硫酸-過マンガン酸カリウム系がクレンブテロールの化学発光を誘導することを見出した。発光条件の最適化を試みた。
  • 吉井沙織・末松千賀子・斎藤 勲・山本 敦・東海林秀典・加藤祐史・井上嘉則・齊藤 満。オンレジン蛍光分析法によるオクラトキシンの簡易スクリーニング、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。抽出・精製・検出一体型のオンレジン蛍光検出法におけるカビ毒、オクラトキシンのスクリーニング法を検討した。
  • 山本喬久・中島康夫・山本 敦・鈴木清一・山崎真樹子・加賀谷重浩・井上嘉則。CM-PEI結合キレート型固相抽出剤を用いる海水中モリブデン酸、タングステン酸のイオンクロマトグラフィー、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。酸性負荷溶液においてはアルカリ、アルカリ土類の影響を全く受けずに金属類を効率よく捕集可能なCM-PEI抽出剤を用いて海水中の金属オキソ酸の分析を試みた。抽出条件を最適化することでppbレベルのモリブデン酸の分析が可能であった。
  • 鈴木志穂・三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・井上嘉則・齊藤 満。新規ハロゲン選択的抽出剤を用いた農産物中クロピラリドの分析、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。家畜中での代謝を殆ど受けず、土壌残留性も高い除草剤、クロピラリドの簡易分析を試みた。前処理にハロゲン選択性を有する固相抽出剤を用いることでHPLC-UV測定が可能であった。
  • 小林泰之・上茶谷若・斎藤 勲・山本 敦・井上嘉則・齊藤 満。親水性相互作用を発現する新規吸着剤を用いる穀物中ニバレノール、デオキシニバレノールの固相抽出-HPLC分析、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。ジアリルアミン-マレイン酸共重合体導入固相抽出剤をカビ毒、ニバレノールとデオキシニバレノールの前処理法に適用した。これにより、従来法では不可能であった精製と濃縮が可能になった。
  • 三輪俊夫・岩田圭祐・斎藤 勲・山本 敦・上茶谷若・井上嘉則・齊藤 満。クロラムフェニコールに対する高選択的抽出剤の開発と蜂蜜分析への応用、2011年9月、日本分析化学会第60年会(名古屋)。シアノフェノキシ基より大きな双極子モーメントを持つニトロフェノキシ基を導入した固相抽出剤は、クロラムフェニコールに対してより選択性を示した。この抽出剤によるHPLC-UV分析を試みた。
  • 三輪俊夫・深津佑太・山本 敦・斎藤 勲・上野英二・井上嘉則・齊藤 満。ネオニコチノイド系農薬に選択的な新規固相抽出剤の開発とその応用、2011年9月、第102回日本食品衛生学会学術講演会(秋田)。ニコチンレセプター様の抽出剤を構築することで、ネオニコチノイド系農薬を選択的に捕集できることを明らかにした。
  • 小林泰之・棚田千尋・斎藤 勲・上茶谷若・山本 敦・井上嘉則。親水性相互作用を発現する新規固相抽出剤による野菜中アセフェートの簡易分析、2011年11月、第42回中部化学関係学協会支部連合秋季大会(長野)。
  • 三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・上野英二・井上嘉則・齊藤 満。ケミカルアフィニティーを高めた新規抽出剤の開発、2011年11月、第11回高山フォーラム(高山)。有機ハロゲン化合物、フェニルウレア系農薬やネオニコチノイド系農薬それぞれに選択的な吸着剤を合成し、その作用機序を解明した。
  • 深津佑太・三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・上野英二・井上嘉則・齊藤 満。ネオニコチノイドに選択的な新規固相抽出剤の開発と野菜資料への応用、2011年11月、第11回高山フォーラム(高山)。ネオニコチノイド系農薬に選択的な固相抽出剤を用いて野菜試料中のジノテフラン、チアメトキサム、クロアチニジンのHPLC-UV測定を行った。
  • 栗崎麻衣子・三輪俊夫・小林泰之・山本 敦。HPLC-UV法による食油中3-MCPDの分析法の開発、2011年11月、第11回高山フォーラム(高山)。オンカラム誘導体化による3-MCPDのHPLC-UV分析法を確立し、食油試料に適用した。
  • 棚田千尋・小林泰之・斎藤 勲・上茶谷若・山本 敦・井上嘉則。新規固相抽出剤を用いたニンジン中のアセフェートの簡易分析法の検討、2011年11月、第11回高山フォーラム(高山)。親水性相互作用を発現する新規吸着剤を用い、有機リン系農薬、アセフェートを簡易に精製する方法を確立した。本法をニンジン試料に適用したところ、容易にHPLC-UV測定できた。
  • 三輪俊夫・鈴木志穂・岩田圭祐・深津佑太・斎藤 勲・山本 敦・上野英二・齊藤 満・井上嘉則。ケミカルアフィニティーによる新規選択的抽出剤の開発-農薬・動物用医薬品分析への適用-、2011年11月、第34回農薬残留分析研究会(高知)。有機ハロゲン化合物、フェニルウレア系農薬やネオニコチノイド系農薬それぞれに選択的な吸着剤の実試料への応用例を紹介した。
  • 山本 敦。食品中の添加物・有害物質の選択的簡易分析法の開発、2011年12月、第2回オンレジン分析装置開発研究会(名古屋)。オンレジン蛍光分析装置による蜂蜜中の抗菌剤、テトラサイクリン類の簡易スクリーニング法について紹介。
  • 三輪俊夫・山本 敦。食品流通サイクル適合型の残留農薬迅速分析法-新規な農薬系統別固相抽出剤の開発と応用、2012年1月、第1回「知の拠点」重点研究プロジェクト若手セミナー(名古屋)。現在の精密機器による残留農薬多成分一斉分析法の問題点の指摘とその解決策について提案した。
  • 棚田千尋・小林泰之・上茶谷若・斎藤 勲・山本 敦・井上嘉則・齊藤 満。新規親水性相互作用型固相抽出剤を用いた穀物および穀物加工品中カビ毒の分析、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。ジアリルアミン-マレイン酸共重合体導入固相抽出剤を使ったカビ毒、ニバレノールとデオキシニバレノールの分析法を小麦加工食品に適用した。
  • 鈴木志保・三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・井上嘉則・齊藤 満。重原子効果を利用した新規固相抽出剤のハロゲン系除草剤に対する保持挙動、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。ハロゲン化フェノールを導入した抽出剤によるフェノキシ酢酸系農薬に対する保持特性を評価した。
  • 健名智子・小玉修嗣・山本 敦・井上嘉則・早川和一。HPLC法による食品中EDTAの分析、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。活性炭固相抽出-HPLCによるキレート剤、EDTA分析法をサプリメントに対して適用した。
  • 小玉修嗣・會澤宣一・多賀 淳・山本 敦。2種類の金属イオンを中心イオンに用いたキラル配位子交換キャピラリー電気泳動法による有機酸光学異性体分析、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。従来、単一の金属イオンによって行われていたキラル配位子交換を、複数の金属イオンを用いるヘテロポリ錯体型でも可能であることを見出した。
  • 三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・井上嘉則・齊藤 満。重原子効果に基づく選択的抽出剤の開発と吸着機構の解明、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。ハロゲン化フェノールを導入した抽出剤の官能基導入率と官能基の双極子モーメント、溶質の屈折率を基に保持に対する相互作用の機序を明らかにした。
  • 栗崎麻衣子・三輪俊夫・井之上浩一・山本 敦・井上嘉則。HPLC-UV法による3-MCPDおよびその脂肪酸エステル類の一斉分析、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。フェニルボロン酸誘導体をモディファイアに用いた間接吸光度検出HPLC法による3-MCPDとその脂肪酸エステル類の同時分析を試みた。
  • 吉井沙織・林 沙織・斎藤 勲・山本 敦・東海林秀典・加藤祐史・井上嘉則・齊藤 満。「オンレジン蛍光分析法」-蜂蜜中残留テトラサイクリン系抗菌剤への応用と評価、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。オンレジン蛍光分析法で蜂蜜中のテトラサイクリン類を測定するための試料前処理法を確立した。
  • 高井里奈・三輪俊夫・斎藤 勲・山本 敦・東海林秀典・加藤祐史・井上嘉則。オンレジン化学発光法-希土類を用いた化学発光法におけるウレア系薬剤種の発光挙動-、2012年3月、日本薬学会第132年会(札幌)。フェニルウレア農薬類をオンレジン化学発光検出法でモニタリングするための発光条件の検討を行った。