蝉の声が鳴り響き、肌を焼き付けるような日差しがそそぐ7月がやってきました。日本各地でも信じられないほどとても暑い日が続きましたね。農場サポーターズだけでなく、これを見てくださっている皆さんも、熱中症等は大丈夫だったでしょうか。
7月の活動内容は、草刈りや水田内の除草、中干しを行いました。7月の前半では、水田内に雑草が所々見られ、また、去年に比べ藻類(アオミドロ)が大量発生していました1)2)。


一体なぜ、水田内に藻類が大量に発生したのでしょうか。藻類は、①土中の有機物や窒素、リン酸が多いこと、②水温が20~25℃程度であること、③日射量が多いこと、というこれら3つの条件がそろうと、大量発生する傾向があるとされています1)2)。
今年の3月に窒素やリン酸を多く含む鶏糞堆肥を水田内に投入したこと3)に加え、炎天下の日が続き、上記の生育条件が揃ったことにより、藻類が発生したのではないかと考えられます。
発生量が多いと、水温や地温の低下、苗のなぎ倒し等により初期生育を抑制することがあります2)。そのため、対策としては、除草剤の散布や水の入れ替えを行うことで防除できるとされています1)2)。しかし、農場サポーターズでは、薬剤の使用を基本的に避けているため、今回は一時的な水の入れ替えによって、藻類の発生の対策を行っていきたいと思います。
7月の後半では、中干を行いました。


図3と図4を見て頂くと、しっかりと水田内の水が抜かれているのがお分かりかと思います。中干しの効果としては、土壌を乾かすことで、余分な肥料窒素の吸収が抑えられ、茎数の過剰な増加を防ぎ、また土壌中に酸素を供給することで、根の活性が高まって下層へ多く伸長するため倒伏しにくくなることが挙げられます2)。このようなことから、窒素過多の抑制や根の活性化により倒伏を防ぐ中干しは、非常に重要な作業といえます。

また、図5のように雑草が大量に生えてしまいました。田植えを始めてから、少しずつ水田内の除草を行っていましたが、雑草の成長は凄まじいもので、どれだけ丁寧に除草を行ってもまたすぐに生えてきてしまいます。それに加えて、中干しを行ったことにより、稲だけでなく雑草まで固く根を張ってしまったようで、除草を行うのも一苦労になっていまいました(汗)。酷暑ということもあって心が折れそうになりますが、めげずに頑張ります…!!
農場サポーターズでは、メンバーを大大大募集していますので、気になる方は、キャンパスプラザ1階などの応用生物学部の掲示板や夏休みは毎週午前10時から午後12時頃まで活動していますので、気軽にご参加くださーい!!
7月は、2匹の昆虫の写真を収めることができました。


図6で示したトンボは、とても綺麗な色を持っていて、翅にある黒い模様がアクセントになっていて可愛いですね。こちらのトンボは、おそらく雌のシオカラトンボであると考えられます。一般的にシオカラトンボといえば水色の姿を想像する方が多いかもしれませんが、水色なのは雄のシオカラトンボであり、雌のシオカラトンボは茶褐色と、雄と雌では色が大きく異なります。このように雄と雌で色が異なるトンボには、他にシオヤトンボやオオシオカラトンボなどが知られています。また、シオカラトンボは、全国的に池や湿地、水田、溝などあらゆる環境で見られ、4月から11月頃に観察できる身近なトンボの一種です4)。
図7で示した蝶は、翅の色がグラデーションのように広がり、蝶の美しさを最大限に引き出されているとても美しい蝶であると感じます。こちらの蝶は、おそらく雌のツマグロヒョウモンであると考えられます。ツマグロヒョウモンも雄と雌で翅の色が大きく異なり、雄のツマグロヒョウモンは、オレンジ色に黒色の斑点模様をしており、グラデーションのようにはなっていません。しかし、雄のツマグロヒョウモンは、オレンジ色がより鮮やかに際立ち、雄ならではの魅力を感じられます4)。
今回は、色に特徴がある昆虫を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。8月も実習農場周辺の生物をご紹介できたらと思っています。楽しみにしていてくださいね。
8月は、ひたすらに水田内の除草をします。暑さに負けそうになりますが、頑張っていこうと思います!!
引用:1)JA京都中央営農ウィークリー№606.pdf(2025/08/20閲覧)
引用:2)suito_sido2024.pdf(2025/08/20閲覧)
引用:3)2969.pdf(2025/08/20閲覧)
引用:4)川邊透(2014)『新版 昆虫探検図鑑1600-写真検索マトリックス付-』株式会社全国農村教育協会
作成者:國井、星野