暑い日が続く中、中部大学では夏休みが始まりました。大学生にとって夏休みといえば、自由な時間や少しの余裕ができ、旅行に出かける方も多いのではないでしょうか。皆さんは、どこかへ行かれましたか。 農場の稲は、夏休みの間も変わらず、たくましく育ち続けていました。

8月の活動内容は、草刈りや水田内の除草を行いました。また、夏休みということで、土曜日も活動を行いました。
8月も7月と同様、図2のように雑草が大量に生えてしまいました。

こればかりは本当に骨が折れる仕事ですね…抜いても抜いても生えてきます。
では、一体どんな雑草が水田内に生えるのでしょうか。
最初にご紹介するのは、イヌビエです。イヌビエはイネ科であり、水田の畔にも見ることができる一年草です。葉は線形で、多くのイネ科の葉の付け根に見られる葉舌(ようぜつ)がありません。
稲よりも遅くに発芽し、除草されないように稲より低く目立たないように生え、稲が刈られる前に種子をつけ配布し次の年に備える、という水田の生き残り戦略を持つしたたかな植物です1)。
つまり、今年抜いておかないと来年もイヌビエだらけになってしまうということです。
恐ろしいですね…しかもずる賢い。稲の天敵って感じですよね。
次にご紹介するのは、コナギです。コナギはミズアオイ科で、休耕地やため池などに生えており、こちらもさきほど挙げたイヌビエと同様に一年草です。
地中にある特殊な形の地下茎(ちかけい)と呼ばれる茎などはなく、いきなり根元から葉を出します。
葉は卵形や円形など形がいろいろで、光沢があり、またコナギは綺麗な青紫色の花を咲かせるので、観賞用として飾れそうな美しい見た目をしています1)。
しかし、綺麗な花を咲かせるのとは裏腹に、生命力が凄まじく抜いても数日経てば生え、固く地に根を張る厄介草です。今年は、コナギをひたすらに抜いた記憶しかなく、個人的に一番苦手な雑草ですね…
手だけではなく、八反どりも使わないとキレイに取り除くことができないです。本当に腰を痛めます…
今回ご紹介した二つの雑草ですが、どれも厄介そうだなと感じていただけたでしょうか。
しかし、図3の矢印先をご覧ください。
稲が斜めのL字の形で青々と育っている部分があるのが分かるでしょうか。
実は、この場所はひたすらコナギを根ごと取り除いた場所なのです。
つまり、地道な作業ではありますが、雑草を根からしっかり除去することで稲の成長を妨げないという効果がはっきりと分かります。

いかがだったでしょうか。他にも実習農場で見られる雑草はありますが、今回は一部を紹介させていただきました。本当は雑草の写真があるとわかりやすいと思うのですが、今回撮り忘れてしまいました。すみません…!気になった方は、ぜひどんな雑草なのか調べてみてください!!
農場サポーターズでは、体力に自信のある方、植物に興味がある方、就活に役立てたい方、物価高でお米が欲しい方、何となく参加したい方、様々な方を募集中です。気になる方は、キャンパスプラザ1階などの応用生物学部の掲示板や毎週水曜日の午後3時30分から午後5時頃まで活動していますので、気軽にご参加ください!!
毎月恒例の写真、8月はカエルを撮影することができました。

こちらのカエルは、ヌマガエルとツチガエルのいずれかと考えられます。そこで、環境生物科学科の土田さやか先生に写真をいくつか見ていただいたところ、「写真からだけでは判断できないが、カエルの腹側が真っ白に見えるため、おそらくヌマガエルではないか」とのコメントをいただきました。お腹の白さで見分けるなんてとても面白いですね。とても勉強になります…!貴重なご意見をいただき、ありがとうございます!!
ヌマガエルの他の特徴としては、背面に多数の短い隆状突起といぼ状の突起が散在し、ツチガエルよりもヌルッとした感じがするそうです。一方ツチガエルも背面に多数の短い隆状突起といぼ状の突起が散在している特徴は同じですが、皮膚がガサガサしていることから『イボガエル』とも呼ばれます2)3)。かわいい見た目をしていますが、畔に穴を空けてしまうのであまり田んぼには来て欲しくない生き物の一つですね。でもかわいいので許します(笑)
9月は、稲狩りに向けての準備と引き続き草刈りや水田内の除草を行います。まだまだ暑い日が続きますが、皆さんも熱中症や体調管理にお気を付けください!!
引用:1)山田隆彦(2020)『自然散策が楽しくなる!花草・雑草図鑑』株式会社池田書店
引用:2)内山りゅう(2005)『ヤマケイ情報箱 田んぼの生き物図鑑』株式会社 山と渓谷社
引用:3)ヌマガエル | 身近な生きもの図鑑 | 県内の動植物種について知りたい(身近な生きもの) | 生物多様性情報総合プラットフォーム 福岡生きものステーション(閲覧日:2025/09/25)
作成者:國井、星野