発光生物学研究室

新着情報(2023年度)

2023年度の新着情報

2024.3.30. Aquaculture and Fisheriesの総説が掲載されました

最近、研究のことを書いてなかったけど、このページを見てくださっている方もいるようなので、たまには研究のことも書きましょう。

ジョゼくんと書いた総説がようやく正式に掲載されました。受理されたのはずっと前だったんですが、Special issueだったので雑誌掲載が今になりました。発光魚の内分泌と神経制御についてレビューしたものです。ジョゼくんは総説を書くのがうまい。私のこの総説で一番嬉しかったのは、これまで居酒屋で撮り溜めた発光魚の料理の写真を学術誌に掲載できたこと。Aquaculture and Fisheriesの雑誌ですから、関係なくはないんですよ!ちなみに、写真dは、高知大学の研究室でマツカサウオを丸焼きにしているところ。写真mは、蒲郡で食べた回転寿司のアオメエソ。写真bとgは、高知の居酒屋。写真hは由比の旅館で出てきたトウジンの煮付け。日本では発光魚も水産物として消費されてるんですよ、ということを世界にお知らせしたかったんです。

PDF無料でダウンロードできます。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2468550X23000564?via%3Dihub

2024.3.19. またまた中原淳一!

こんどは、中原淳一の便箋「ほたる」。もう、とりあえずしばらくはホタル叙情画は発掘されないだろうから、これで一旦終了。というのは半分うそで、まだ狙ってる作品が2点くらいある。

2024.3.14. 次は蕗谷虹児のホタル!

中原淳一とならぶ叙情画の名手・蕗谷虹児のホタルです。つい買ってしまった。蕗谷の描く少年少女は賢そうで、この「学習百科読本」にぴったりですね。中は、魚だとか、国旗、園芸植物、服装、自然界の奇観、などいろんなものが絵入りで並んでいます。昭和8年の『少女倶楽部』の付録だったようです。

2024.3.13. 中原淳一の絵葉書を入手!!

去年の11月にオークションで見つけて、誰も入札しないから安心してたら締め切り直前に落札されてしまった作品。残念で残念で、それ以来ずっと中原淳一ばかりサーチしてたせいで、すっかり中原淳一に詳しくなってしまった。もともとは、挿絵画・叙情画では高畠華宵の方が興味があったので、中原淳一は射程外だったんですが、今回の一件ですっかり中原淳一ファンになってしまった。これは戦時中の慰問絵葉書。ようやく手に入った!嬉しい。蛍絵も、江戸明治の浮世絵はだいぶ飽きてきたから、次は大正昭和かな。

2024.3.3. 蛍絵をまた入手

源氏五十四帖のパロディ「現時五十四情」です。ホタルは篭の中だけに描かれています。明治17年の作で、化学染料もけばけばしく遠近法もめちゃくちゃで、あまり取り柄がない。蛍というだけでつい買ってしまうコレクターの悲しき性です。ほんとうはもっと欲しい作品があって、それを探してたんですけどね。

この浮世絵、手に入れたはいいが興味がなさすぎて、運搬中にバスの中に忘れてしまい、しかも忘れたことにずっと気が付かなかったという失態をしてしまった。幸い思い出して帰ってきましたが、あまりに雑に扱ったことに反省。これも140年間残ってきた貴重なものですから、これからは大事にします。

2024.2.6. インドに行ってきました

インドの中央部にあるハイデラバードで開催された国際学会International Conference on Molecular Signalingに招待公演として出席してきました。個人的にはインドは22年ぶりの2回目。前回案内してくれた研究者の知り合いが、今回も招待してくれました。

写真は、ホテルの庭の隅にあった祠のようなもの。あちこちにヒンドゥーの神様がいる。

2024.1.17. 蛍絵をまた入手

浮世絵に「相撲絵」や「源氏絵」「おもちゃ絵」というジャンルがあるように、ホタルが出てくる浮世絵を「蛍絵」と呼びたい。蛍絵コレクターの大場です。今回入手しましたのは、三代目豊国の「今源氏錦絵合」シリーズ「螢」です。取り立てて魅力はないので、私以外は欲しがらないだろうと思ったけれど、一人だけ入札があった。それでも非常に安価に手に入れられました。なるべく面白いものだけ入手しようと思いつつ、つい買ってしまうんですよね。それでも、非常に丁寧に修復されていたので、大事にされていたものなのでしょう。私も大事にしたい。

2024.1.12. 情報メディアJaybeにインタビュー記事が掲載されました!

情報メディアJaybeに「光る生物の謎を解き明かす〜発光生物学研究の飽くなき探究心〜」というタイトルでインタビュー記事が掲載されました。

https://jinanbo11.com/news/oba-yuichi/

2014.1.11. NHKBS『フロンティア』に出演します!

NHKBSの新番組『フロンティア』に出演します。そのタイトルはズバリ「発光生物 進化の謎」!

放送は、NHKBS4Kは1月18日(木)夜10:00から、NHKBSは1月24日(水)夜9:00からです。たぶんたくさん登場しますので、ぜひお見逃しなく!

2023.12.19 土日月でシンガポールに行ってきました!

 2週連続で海外出張。さすがに疲れた。ただし今回は学会発表なので荷物が少なくてよかった。リュックひとつで行ったら「それで日本から来たの?すごいね」と変なところで某先生に褒められた。今回は、「AsiaEvo」という主に日本と中国とシンガポールの進化研究者の国際学会。その存在を知らなかったのだけれど、今回で3回目とのこと。今回は招待されたので行ったが、これからも参加してもいいかもしれないと思った。そのくらい、内容のレベルがどれも高かった。

 ガチで進化の研究って、いつの間にかも日本と中国とシンガポールでものすごく進んでて、大衝撃を受けた。大昔は(私がガチの進化生物学をやろうかなーと思ってた頃は)、系統樹が出てきて「ブートストラップ値そこ低くないですかー?」とか質問しているレベルだったのが、今は隔世の感。

 もちろん僕はホタルの進化の話をしました。祖先配列復元のはなしとかゲノムの話とかを盛り込んだので、それなりに興味を持ってもらえたみたいだけど、それでもやっぱり「ふーん、変わったことやってるねー」的な、どの学会に呼ばれてもたいてい感じるアウェイ感は今回も感じた。私の研究って何なんだろう。オンリーワンだ、などと胸を張るのも程々にしなくてはいけない。

シンガポール植物園の「EJHコーナーの家」も見てきた。語れば長いが、発光生物の研究にとても縁のある場所。まあ、私なりの聖地巡礼ってやつですかね。

2023.12.12. バクテリアの論文

カイアシ類の腸内にいるバクテリアの論文。発光するのが単離されると面白かったんですが、なぜか発光は確認されなかった。ともかく、バクテリアの論文に関われたのは嬉しい。

Hirano et al. (2023) Isolation and characterization of bacteria from the gut of a mesopelagic copepod Cephalophanes reflugens (Copepoda: Calanoida). J. Plankton Res. (in press).

2023.12.11. 土日にタイに行ってきました

12/9-12/10の土日にタイに行ってきました。発光ミミズと発光カタツムリの調査。とんぼ帰りでしたが、それなりに成果がありました。

発光生物の写真がスマホになかったので、かわりにタイ料理の写真。ニワトリの足が丸ごと入ってた。見ためがグロいせいかみんなあまり食べてなかったが、スープの味は素晴らしかった。

2023.11.10. Science Japan (英語版、中国語版)に光るカタツムリ登場!

JSTのウェブ記事「Science Japan」(英語)と「客観日本」(中国語)に、光るカタツムリが登場です。

Science Japan (English):https://sj.jst.go.jp/news/202311/n1110-04k.html

客観日本(中国語):https://www.keguanjp.com/kgjp_keji/kgjp_kj_smkx/pt20231026000001.html

2023.10.20. 発光生物のクロモカード(1959年)をゲット!

濃縮ブイヨンの会社リービッヒ(あのリービッヒ冷却管の化学者リービッヒです)が販促用に配っていた通称クロモカード(石板印刷)。ドイツ語。だいたい6枚セットだったそうですが、これはその発光生物シリーズ。こういうチープなのがたまらなく好きなんですよね。

左中はフォツリス。全然フォツリスに見えないところが面白い。ドイツの会社だから、北米のフォツリスなんか見たことがなくてどんな姿か分からなかったんでしょうね。それなら、わざわざイラストに使わなくてもいいような気もしますが。当時のドイツで発光する生物といえば、ホタル、ヒカリコメツキ、魚、ヒカリカモメガイ、という認識だったことがよくわかります。

2023.10.19. FNNプライムオンラインに光るカタツムリの詳細記事!

FNNプライムオンラインの「いきものディープランド」に、「世界2例目「光るカタツムリ」を同時に5種確認」というインタビュー記事が掲載されました。どのウェブ記事よりも詳しく解説されていますので、ぜひ見てください。写真も豊富。

https://www.fnn.jp/articles/-/600185

なお、発光カタツムリのニュースは、10月12日付けの朝日小学生新聞にも紹介されました。

2023.10.14. CBCラジオ『石塚元章ニュースマン!!』に登場しました!

今朝のCBCラジオ『石塚元章ニュースマン!!』の「21世紀の賢者たち」に生出演しました。発光カタツムリの話だけじゃなく、発光生物のいろいろの話をしました。

放送内容はRADIKOで聴くことができます。https://radiko.jp/#!/ts/CBC/20231014070000

私のトークは8時15分ころから(録音では1時間15分ころから)。LINEでも追加トークしてます。https://page.line.me/cjj5376e

2023.10.12. 今日夕方の「スーパーJチャンネル」という番組に出演します!

今日夕方4時45分からテレビ朝日系の「スーパーJチャンネル」という番組に、ちょこっと出演します。タイで見つけたカタツムリについて解説します。午後5時38分くらいに2分くらい登場予定。見れる人は是非みてください!というのも、名古屋ではこの番組、放送してないみたい。光るカタツムリの話題が盛り上がっていて嬉しいです。昨夜、フランスの雑誌社からも問い合わせがありました!

2023.10.11. ウェブマガジン記事「発光魚はなぜ光るのか?」で私の著書が紹介されています!

山本智之さんのコラム『海の生きもの便り』の第32話「発光魚はなぜ光るのか?」の中で、私の著書『世界の発光生物』が紹介されています。山本さん自身が撮影された、泳いでいるホテイエソのレア写真は必見ですぞ。

2023.10.10. 英語版、中国語版「発光蝸牛」

光るカタツムリのニュース、中国語版がありました。日本研究団隊在秦国発現五種発光蝸牛!謝謝!

https://www.singtao.ca/6384333/2023-09-23/news-日本研究團隊在泰國發現5種發光蝸牛/?variant=zh-cn

英語版のNHKニュースもありました。タイで見つけたのはQuantula weinkauffianaなんですが、Quantula striataということになっているのは惜しい。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20231006_35/

2023.10.10. 光るカタツムリのニュース!

光るカタツムリのプレスリリース、思いがけないほどいろいろなメディアに取り上げらています。こんなにウケるとは思わなかった。まあ、私のイチオシ発光生物だから嬉しいんですけど。NHKテレビと中日新聞が、特に影響あったみたい。マンションの管理人さんにも「見ましたよ!スゴいですね」と言われた。

NHKのニュース動画:https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20231007/3000032115.html

かなり詳しく紹介してくれた。私のzoomインタビューは、病み上がりだったので、必死に咳をこらえて喋ってます。「役に立つかも」とか、つい言ってしまったところがフィーチャーされてます(あるある)。

2023.9.24. TBS「情報7daysニュースキャスター」にZOOM出演!

TBSの夜の情報番組「情報7daysニュースキャスター」で、カリフォルニアの光る海の映像について解説しました。カリフォルニアのあたりだとたぶん、ヤコウチュウではなくヒカリヨロイオビムシだと思う。と、その辺まで詳しく解説したんですが、そこは使われてませんでしたね。三谷幸喜さんと同じ画面に写れて嬉しい。三谷さんは私と同じでPD (瞳孔間距離)が狭そうなので、三谷さんのメガネ選びにはいつも注目してました。この日の黒縁はカトラー&グロスの0847かな?

2023.9.23. コーナー著『The Marquis』をゲット!

植物学者・菌類学者のE.J.H.コーナーが書いた『The Marquis』(1981)。ずっと欲しくて探してたんですが、なんととある方から頂いてしまいました。そのとある方とは、羽根田弥太先生のご長女さま。ということは、はい!羽根田先生宛のコーナー直筆サイン入りです!これはなんとも、スーパープレミアムな一冊だ。コーナー博士は、戦中シンガポールでの羽根田先生との親友。そして、羽根田先生が八丈島で見つけたシイノトモシビタケの記載者でもある。

ところで、コーナーさんのサインの一番最後の行、何が書いてあるんだろう?マレー語かなとか想像してみましたがわからない。マレー語でありがとうなら、テリマカシですよね。

2023.9.22. 光るカタツムリのプレスリリース

タイで見つかった光るカタツムリについてプレスリリースしました。世界にカタツムリの仲間は30000種くらいいると言われていますが、これまで発光するカタツムリはたった一種しか知られていませんでした。それが、1943年に羽根田弥太先生がシンガポールで見つけたヒカリマイマイQuantula striataです。それが、今回80年ぶりに、新しく発光するカタツムリ5種をタイから報告しました。うち1種はヒカリマイマイと同じQuantula属の別種ですが、残り4種はPhuphania属という別属です。この日プレスリリースしましたが、それからじゃんじゃんと各新聞に紹介され始めています。プレスリリースはこれまでも何度かやってきましたが、今回は勢いがいいです。やっぱり、カタツムリという身近な存在と、それが光るという面白さのおかげでしょうか。でも、プレスリリースに私が書いたゴーガやナメゴンのことは誰も記事に書いてくれないなあ。それから、中部大と協定を結んでいるチュラロンコン大学との共同研究の成果だという点も推しポイントだと思ってるんですが。

中部大プレスリリース:https://www.chubu.ac.jp/news/26055/

論文(Scientific Reports):https://www.nature.com/articles/s41598-023-42364-y

2023.9.15. CBCテレビで放送した内容をウェブで見れます!

8月29日に放送した「ほのかな灯り”発光生物”の世界」をウェブでも見れるようになりました!見逃した方は是非こちらから↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/1b0b213c69658b9c0373529dcb57b82ceb95b560

2023.9.14. 英メディアアートマガジンに批評が載りました!

イギリスのメディアアートのウェブマガジン「CLOT Magazine」に、赤松音呂さんとの共同アート作品「Perhaps, Art Begins with the Fireflies」が大ききく紹介されました。芸術批評のことはよく分かりませんが、何やら難しい言い方をしながらも高く評価してくれています。

2023.9.12. 美人画の石版画を入手!

画題が『蛍狩』なので、入手した。はっきり言って私は石版画には魅力を感じない。だから、これは歴史資料。幸い安く手に入った。摺りも状態も良い。

朝ドラにも出てくる石版画。当時は画期的な印刷技術だったのかもしれないが、少なくとも浮世絵としては、木版画の美しさは完全に失われて不気味さだけが目に付く。浮世絵文化の末期を象徴する蛍絵といえる。

ちなみに、私は古いものほどいいと思っているわけではない。清親も芳年も明治の絵師だが、私は好きだ。

2023.8.30. アート展がはじまりました

東京のミヅマアートギャラリーで、赤松音呂さんとのコラボ作品の展示が始まりました。今日はオープニングイベントで、私も参加。他のアーティストの方々とお話しさせていただき大変刺激を受けました。で、肝心の作品の方は、しっかり発光してくれていたのでホッとしました。しかし、まだ展示は1ヶ月続くので気は抜けません。東京に行かれる際はぜひ行って見てきて下さい。無料です。

2023.8.29. 今日のCBCテレビ『チャント!』に発光生物学者の特集!

夕方の番組『チャント!』(CBCテレビ)に出演予定です。「魅力はどこに?発光生物に情熱を傾ける研究者」ということですので、ぜひご覧ください。番組は15時49分からですが、登場するのはおそらく18時ころだそうですよ。学生さんたちのウミホタル採集風景も出るかも!

追記:見ました。1年生の学生さん、研究室の学生、私の家族、そして下村先生も、総出演という感じでしたね。CBCの島越さん、ありがとうございました。

2023.8.22. 新刊『GLOW』届いた

Thames & Hudsonというイギリスの出版社の絵本『GLOW』。前から予約してたのがようやく出版されたようで、届いた。A3くらいある大型本だったので驚いた。発光生物をイラストで広く紹介した本である。この手の発光生物絵本は欧米ではたまに出て、だいたいマチガイだらけなので、まあ今回もその口かなと思って開いてみると。。これはすごい!書いてあることほぼすべて正確。ツッコミどころがありません。著者でイラストレーターのジェニファー・スミスさんは相当勉強したんだと思います。

いちおう「専門的なアドバイスはエディス・ウィダーに受けた」って書いてあったけど、私にはわかる。これはぜんぶスミスさん本人が自分で勉強して書いたものだ。

私の知らないことも書いてあった。ビービの有名なイラストがエルス・ボステルマンという女性イラストレーターによって描かれたということ。さすが女性イラストレーターならではの視点だ。

本書がスミスさんの最初の本らしい。メキシコアートを思わせるカラフルな点描は、どこかでみたことあるなと思ったら、ウィダーの『Below the Edge of Darkness』(2021)の表紙を描いた人だった。いくつかの国でもすでに翻訳されているようす。日本語でも出版されることを希望します。南喜市郎のことも書いてあるし(戦争の時にウミホタルを「使った」話も書いてあるけど)。

2023.8.17. 今週末に生命誌研究館で講演します

直前のご案内ですが、8月19日(土)13:30から、JT生命誌研究館で講演をします。ライブ配信があるので、ぜひご視聴ください。そして今回はなんと長年(20年くらい!)親交のある基礎生物学研究所の新美輝幸教授との夢の競演。題して「カブトムシvsホタル」!カブトムシとホタル、どっちが偉いかを科学の視点で決着をつけます。というのは冗談ですが、人気昆虫の双璧、カブトムシとホタルの科学について、専門家がその魅力と最新科学の知見をお話しします。会場に直接きてくだされば、いろいろな昆虫を直接みていただけます。またライブ配信がありますので、直接来れない方はぜひこちらからご視聴ください。↓

https://www.brh.co.jp/event_lecture/detail/829

2023. 8. 4. ほしじいたけの作者さんにお会いしました!

名古屋市港図書館で講演。そのとき、『ほしじいたけ ほしばあたけ』シリーズ(講談社)で知られる絵本作家の石川基子さんとお会いしました。直筆イラスト付きサイン色紙をいただいた。シリーズの「カエンタケにごようじん」には、表紙にあるように発光キノコが登場してます。みていただくと分かるとおり、ちゃんとヤコウタケとシイノトモシビタケが描き分けられてます。聞いたところ、ヤコウタケは自身で栽培してみたこともあるとか。

ちなみに『ほしじいたけ ほしばあたけ』は、ぜひ読んでみてほしいです。思いがけないブッ飛びストーリーに子供達も大喜びでした。

2023. 8. 1. 新種の菌類(ただし光らない)

八丈島のビロウヤシに付いている「あの」薄茶色でシート状の菌類が新種記載されました!その名も、Aleurodiscus sagittisporus N. Maek., Y. Oba & R. Nakano sp. nov.です。菌類の新種記載者のひとりに私の名前が入っているなんて感激!新種記載者に名前が入る入らないが、朝ドラ方面で話題になってますが、今回は有り難くも前川先生に私の名前を入れていただいた、という感じです。感謝!

ちなみに、このきのこは、光りませんよ。でも、ニッポンヒラタキノコバエがよく付いてるやつです。ニッポンヒラタキノコバエは、最近はアイアナタケGrammothele fuligoかこれに付いている。

https://www.jstage.jst.go.jp/browse/mycosci/64/4/_contents/-char/en

2023. 7. 31. いろいろ7月まとめ

7月もおしまい。ここのところいろいろありすぎて、報告したくても時間がなくてできなかった。

1 EMBOワークショップで招待講演。学位をとった懐かしい基礎生物学研究所のホールに立って講演できてよかった(7/25-7/27)。

2 八丈島に発光きのこのNHKロケで行ってきた(7/5-7/8)。

3 中日新聞にアルス・エレクトロニカ賞の記事。かなり大きく載せていただきました(7/14)。

4 おまけ。旧裏のチョンチーとランターンをゲット!この辺りまで手を出すつもりはなかったんですが、ついつい。オリジナルとか旧モデルとかいうコトバには弱い。まあ、何か総説を書く時に使えるだろう、と自分にいいわけ。やっぱりいいなあ、旧裏のポケカ。SRとかSARとかいってギラギラしてないところがいい。

2023. 7. 13. 源氏し内?

蛍籠が描かれた盃を手に入れた。おそらく昭和初期のもの。「源氏し内 蛍」と読める文字が書かれているが、意味はわからない。源氏香のマークは「末摘花」(すえつむはな)。これも意味不明。源氏物語の何かだろうが、私には教養がなさすぎて理解できない。しかし、こうやって酒盃に描かれているのだから、当時の人はそれなりに意味がわかったのだろう。図案は、団扇と蛍籠とおそらく萩。どれも夏の風物だろうが、それと関係があるのだろうか。わかった人、誰か教えてください!

追記:「源氏之蛍」ではないかという説が浮上。源氏香も「蛍」の描きまちがいではないかという意見が。かなりありうる仮説ですが、そうだとしたらずいぶん雑な仕事だなあ。まあ、その雑さが面白かったりするんですが。

2023. 7. 3. ウミホタル採集

そういえば、6月28日に久しぶりに知多半島にウミホタル採集に行ってきました。今回は、学生さんたちとテレビの人も一緒。まあ、一応採れて(&撮れて)皆さんに見てもらえたので良かったですが、福岡や広島での大漁を見知っていると「少なっ」というのが正直な感想。しかし、なぜ少ないのかってのは興味深いポイントです。このあたりは不思議なことに、なぜかウミホタルが少ない。環境とか水質は問題なさそうなのに、不思議だ。

ウミホタルといえば、今日のサイエンスゼロ見ました。キンメモドキで別所くんが出てました。スタジオには重信先生が出てました。でも最後はやっぱり「どう役に立つか」って話。そう言わせられちゃうんですよね。今週から私は八丈島ロケ。たぶん私も「言わされちゃう」のかな。こう見えてサービス精神が意外と高い。そうそう、クレッチマーによると、分裂質な人ほど過剰なサービス精神を発揮することがあるらしい。

2023. 6. 30. 櫻田智也『蟬かえる』を読んだ

櫻田智也『蟬かえる』(東京創元社)というミステリー短編集を読んだ。ついでに、櫻田さんの前作の『サーチライトと誘蛾灯』も読んだ。もちろん、これもホタル関係の話が出てくるという情報ゆえ。「ホタル計画」という作品があり、そこにホタルが出てくるのだが、面白いことにルシフェリンやルシフェラーゼも出てくる。これ以上はネタバレになるので言わないでおくが、ルシフェラーゼ遺伝子が出てくる小説は珍らしい。

他の作品も、すっかり「引き込まれて」一気に読んでしまった。全編かならず何か「昆虫」がからむのが興味深い。

ちなみに、私はミステリーを全くと言っていいほど読まない。なぜかというと、わたしは「引き込まれる」のが好きではない。なんというか、楽しませてもらってる感が受け付けないのだ。だから、子供たちには申し訳ないが、テーマパークには決して行かない。「引き込む」仕掛けで成り立っている場所だから。

なーんて言いながら、読んでいなかった分野の本を読むのは素晴らしい体験だ。これからも、発光生物をきっかけに読書幅を広げていけたらと考えている。発光生物がちらっと出てくる本を見つけた方、ぜひ教えてください!

2023. 6. 28. 『天路の旅人』を読んだ

沢木耕太郎の『天路の旅人』を読んだ。これまたホタルが出てくるという情報ゆえ。

沢木さんの本はあまり読んだことがなかったので、いい機会になった。この本は、戦中戦後に中国奥地からネパール・インドを彷徨した西川一三という実在の人物のルポ。その驚くべき旅の内容に驚嘆した。強烈な精神力と体力、そして知力。こんなスーパーマンが本当にいて、8年間も大陸の奥地を、金もなく死なずに徒歩で踏破したというのも驚きだが、戦後日本に送還されてから、その経験を活かして特になにかをしようというわけでもなく余生を送ったという点もびっくり。まさに、ラマ僧に扮している間に、本当に無我無欲の悟りの境地に達してしまったかのようだ。

さてそれはともかくホタルのはなし。途中1箇所だけホタルが出てくる。旅の後半、西川がちょうどネパールとブータンの間にあるインド領に入ったあたりの話である。ここはヒマラヤ山脈に近い高地で、おそらく2000メートルくらいの場所。そこに辿り着くと、肩にホタルが止まり、その独特の匂いに日本を思い出すというシーンである。光ではなく匂いという点が面白い(この本を教えてくれた平田さんも、その点が面白いと言って勧めてくれた)。ちなみに、ホタルは3000メートル級の場所でも見つかることがあるので、2000メートルであれば驚くほどのことでもない。

沢木耕太郎『天路の旅人』AMAZON:https://www.amazon.co.jp/dp/4103275235

2023. 6. 21. 『指輪物語』を全巻読了

トールキン『指輪物語』を読了した。(途中で他の本も読んだが)フロドとサムの旅のように、長い読書の旅であった。もともと非現実な出来事が起こるファンタジーというジャンルには興味がなかったのだが、映画『ロード・オブ・ザリング』にホタルが出てシーンがあるという情報を聞いて読み始めた。結局、1度だけちょっと出てきた(しかも道が光っていることの例えとして「まるで土ボタルのように微かに光りながら」という表現のみ)。まあ、いちおうホビットの時代にもホタルはいたようである。

興味のなかったファンタジーであるが、『指輪物語』について調べるうちに、その壮大な文献学的背景に興味を持った。傑作と言われるものは、偏見を持たずになんでも読んでみるものである。ホタルはほとんど出てこなかったが、この物語に登場するいろんなものがことごとく光を放っていることを知れたのは収穫だった。ひょっとすると、今や定番となった光る剣や英雄の体から出てくる光なんかは、全部この『指輪物語』にルーツがあったりするのかも知れないと思った。

2023. 6. 15. 今朝の産経新聞(関西版)に発光生物特集が掲載されました!

2023. 6. 13. アルス・エレクトロニカ賞を受賞!

オーストリアで開催された芸術・先端技術・文化の祭典「アルス・エレクトロニカ」において、芸術家の赤松音呂氏との共同で栄誉賞を受賞しました!1億年前のホタルのルシフェラーゼ遺伝子を祖先配列復元という計算手法により現代に甦らせ、その光を実際に見てもらうインスタレーション作品です。

https://ars.electronica.art/prix/en/jurystatements/statements2023/

https://calls.ars.electronica.art/2023/prix/winners/7983/

https://www.chubu.ac.jp/news/22347/

2023. 6. 4. 今朝の産経新聞(関東版)に発光生物特集が掲載されました!

今日の産経新聞朝刊に特集「発光生物の不思議な世界」が掲載されています(ただし、誌面は関東版のみ、西日本版は来月くらいに載る予定)。ウェブ版は有料ですが、産経新聞ウェブに登録している方はこちらをご覧ください!

産経新聞ウェブ「発光生物の不思議な世界」https://www.sankei.com/article/20230604-4AC5LO25ZZJDRL35Y3YKYGTS5U/

2023. 5. 29. HPが新しくなりました!

大学のHPが改変され、それに伴いこのページも新しくなりました。まだ慣れてませんが、今後はこちらで更新していきます。

更新の練習がてら、新しい総説のFigure 14を貼り付けてみます。

2023. 5. 26. 発光きのこの総説が出ました!

科博の保坂健太郎さんと一緒にJournal of Fungiに書いた発光きのこの総説が公開になりました!

オープンアクセスですので、下記から誰でもPDFを取得できます。

自慢は、このFigure 1ですね。世界に3例のみの発光きのこ切手(A)、発光菌糸が原因だとされる「狐火」の浮世絵(B)、発光きのこポケカ(C)、発光きのこガチャ(D)、発光きのこ本(E)と、私の蒐集してきた品々を披露することができました。査読者の方々の評判も上々でしたよ(ただし一人だけ、ポピュラーサイエンスすぎる、と拒否反応を示してましたが)。

The Luminous Fungi of Japan認証エリアへのリンクhttps://www.mdpi.com/2309-608X/9/6/615

これに、2011年にZoological Scienceに書いた陸上発光動物の総説と合わせて、日本の陸上発光生物についての英文総説による紹介はコンプリートです。

The Terrestrial Bioluminescent Animals of Japan別サイトにリンクしますhttps://bioone.org/journals/zoological-science/volume-28/issue-11/zsj.28.771/The-Terrestrial-Bioluminescent-Animals-of-Japan/10.2108/zsj.28.771.full

2023. 5. 24. 三重県生涯学習センターの親子向け講座のご案内(8月20日)

三重県生涯学習センターで親子向け講座をすることになりました。2023年8月20日(日)13時30分から15時です。

場所は、三重県男女共同参画センター1階です。受付開始は6月10日から。受講料は無料でございます。

かるみーといっしょ♬別サイトにリンクしますhttps://www.center-mie.or.jp/manabi/event/sponsor/detail/45087

2023. 5. 15. 有限会社グリーン・アースに取材を受けました

有限会社グリーン・アース様からインタビューを受けて、その全文が公開されています。コンサル会社の方からどうして私がインタビュー?と最初は思いましたが、インタビュー記事のサブタイトル「大人版 好きなことで生きていく」を見て深く納得しました(このサブタイトルは会社さんが付けてくれたものです)。

そう、私は好きなことをして生きているんだなあ、ということを今回のインタビューで改めて思い出させていただきました。好きなことをしている私の姿勢(というほどのものではないですが)で、若い学生さんやビジネスパーソンの方々に何かしら伝わるものがあれば幸いです。グリーン・アース様ありがとうございました。

光る生き物と生物学者の世界別サイトにリンクしますhttps://sxl.co.jp/luminescent-organism/

2023. 5. 14. 螢の役者絵をゲット!

年2回開催されている名古屋骨董祭。もう20年以上通っています。ガラクタから、アヤシイもの、美術館級のものまで、見ていて飽きません。

そして、本日はすごくいいものを発見してしまいました。これです!

当盛十花撰 牡丹(1858年)

歌川国貞(三代目豊国)×歌川広重(初代)コラボの役者絵です。右側の役者(13代目市村羽左衛門らしい)が螢籠を提げてます。

3枚続きの蛍狩りの図とかに最近飽きてきた中で、これは衝撃的でした。役者絵の名手・国貞の描く人物のカッコ良さと、広重の繊細な花の線。見れば見るほどいいです。即買いです。なんで螢籠を持っているのかは、歌舞伎に詳しくないのでわかりません。牡丹と団扇と浴衣と、初夏の風物を散りばめただけの意匠かもしれませんが。どなたか知ってたら教えてください。ちなみに、団扇に書かれている句は「引きつめて/はなちそふなる/かかしかな」です。

2023. 5. 13. Aquaculture and Fisheries誌の総説、オープンアクセスです

Aquaculture and Fisheries誌に投稿した「発光魚:内分泌と神経による発光の制御」がオープンアクセスに登場です。全文が見れます。PDFが無料でダウンロードできますので、ぜひ図版だけでも見てください。

論文のPDFはこちらから別サイトにリンクしますhttps://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2468550X23000564

ジョゼくんは、こういうイラストレーションを描かせると、なかなか上手いんだよなあ。

2023. 5. 4. 日本の発光きのこに関するレビューを書きました!

まだプレプリントですが、日本の発光きのこに関する英文総説を書きました。科博のきのこ博士・保坂健太郎さんとの共著です。保坂さんとはもう何年も前からこの総説執筆を計画していたんですが、今回カシウス・ステヴァニさんに頼まれて、ようやくそれが実現しました。日本の発光きのこのことを世界の人たちに知ってもらいたいと、めちゃめちゃ情報集めて書いた自信作です。あ、査読を受けるのはこれからですからね。

追記:本日、無事アクセプトされました(2023. 5. 24.)これからゲラ校正です。

Preprint.org別サイトにリンクしますhttps://www.preprints.org/manuscript/202305.0223/v1

2023. 4. 30. 大阪は朝帰り!

大阪大学産業科学研究所に行ってきた。永井先生のところでセミナーです。そのあとの「意見交換会」も重要な目的だったので、今回は始発で朝帰り。人と会うのは重要だなあ。私の発光生物に関する雑知識がいろいろ役に立ったようでよかった。院生やポスドクの皆さんたちが、自分の意見を持っていて、それを的確に喋っていたのが印象的だった。永井先生の教育と人柄のおかげか。うまい話をする大阪という性質か。

2023. 4. 26. 鹿児島日帰り!

名古屋から鹿児島まで、始発で行って終電で帰る。新幹線の中ではバリバリ仕事がはかどったし、滞在中も今後の進展につながる重要な発見があった。小沼先生、お世話になりました!加藤先生、突然顔を出して済みませんでした。

2023. 4. 9. 雑誌Aquaculture and Fisheriesに総説が受理されました!

「Aquaculture and Fisheries」ーー要するに水産学の雑誌です。総説は、昨年度まで研究室に居たジョゼ・パイティオ君との共著です。

Jose Paitio, Yuichi Oba (2023) Luminous fishes: Endocrine and neuronal regulation of bioluminescence. Aquaculture and Fisheries (in press).

発光魚の生理学についてまとめたもので、神経制御や内分泌の関わりをレビューしています。実は、ワタクシの学位は魚類内分泌学なので、この視点でまとめてみたかったんです。ついでに発光魚が世界で(特に日本で)どんなふうに食されているのかについても、今まで集めてきた写真画像とともにまとめています。

雑誌のページ別サイトにリンクしますhttps://www.sciencedirect.com/journal/aquaculture-and-fisheries

2023. 4. 8. 雑誌『子供の科学』と産経新聞WEBに、ヘイケボタルのまたたきが紹介されました!

子供科学雑誌の草分け『子供の科学』5月号の「コカトピ(子供の科学トピックス)」に、ヘイケボタルのまたたきの論文を紹介していただきました!

そして、今日の産経新聞WEB版にも取材記事を掲載していただきました。

さらに、慶應大学の英語版WEBニュースThe Penmark (March, 2023)にも紹介していただきました。

産経新聞さんのリクエストに応えて、飛んでるヘイケボタルのイラストも作成し、さっそく使っていただいてます!

子供の科学別サイトにリンクしますhttps://www.kodomonokagaku.com

産経新聞WEB別サイトにリンクしますhttps://www.sankei.com/article/20230408-4VZRFPDW65LRTMMB6MXUY75NH4/

The Penmark別サイトにリンクしますhttps://mailchi.mp/global/the-penmark-march-6267597?e=dab315f4f7

2023. 4. 3. オオメボタル科のYouTube動画!

台湾の友人である方華徳さんは、発光生物にめちゃくちゃ詳しく、しかも写真の技術がすごい。台湾を案内してもらった時は、ホタルを見つけるのがものすごくうまくて驚いた(昼間です)。前を歩いていた私が見つけられなかったホタルをパッと見つけては「いましたよ」と見せてくれるので、生き物探しにはそれなりに自信があった私はもう「参りました」というしかなかった。

その方さんが、そういえばこんなの作ったと見せてくれたのが、オオメボタル科(イリオモテボタル科)のYouTube動画。撮影場所は台湾の離島Matsuです。ちなみに、Matsuは地図で見てもらうとわかりますが、日本のイリオモテボタルがいる石垣島・西表島よりも北で、中国本土にものすごく近い場所。

この動画、クオリティー高すぎなので、必見ですよ。説明も英語字幕付きの英語解説なので、ありがたい。イリオモテボタルの生態がこれほど詳しく動画撮影されたものは見たことがない。オス成虫の発光の写真がちらっと映ってましたが、オスが発光することは文献に文字で書いてあるだけで一度も見たことがなかったので、驚いた。

YouTube “Glimmering Mist – Matsu Island”別サイトにリンクしますhttps://www.youtube.com/watch?v=OtET1iwv2Z0

2023. 4. 1. また新年度がやってきました

発光生物学研究室7年目の新年度です。今年度もいろいろ新しいことができると思います。今年度の画像は、リュウグウハダカ(たぶん)にしました。

私事ですが、今年度より中部大学蝶類研究資料館の館長を拝命いたしました。発光生物とどう関係あるんだ!と思うかもしれません。はい、関係ありません。鱗翅目に光るやつは1種類もいないので、本当は興味なくて、しかもチョウに全然詳しくないんです(←いや、半端なく詳しい人たちが凄すぎて、チョウのことわかります、などと一生言えないんです)。しかし、立場上そうも言ってられなくなりました。今年度は、近所でチョウ捕りでもやってみようかな。

近所で子供が捕ったチョウ。キアゲハだかナミアゲハだかわからん。。Tシャツはホタルだ。