応生農場サポーターズ

農場サポーターズ新聞 2026年度月7号

7月に入って気温が一気に上がりましたが、皆さん体調は大丈夫でしょうか。梅雨が明け、蝉が鳴き出し、夏をひしひしと感じられるようになりました。今年の梅雨明けは7月20日頃1)で、昨年の6月27日と比べて23日遅いのだそうです。

7月は主に6月と同様の除草作業を行いました。また、中旬頃には稲の根が強く張るよう土中に酸素を供給するために、水田の水を抜く「中干し2)」も実施しました。しかし、ちょうどその期間は40℃を超える酷暑日が続き、安全を考慮して活動を控える日もありました。限られた時間の中で、熱中症に気をつけつつ活動を行いました。

(星野、奥)

図1.稲の間に生い茂るコナギ

コナギは水田の泥の中に強く根を張り、稲のすぐ傍にも纏わりつくように生えてくる為、八反取り(6月号参照)だけでは取り除くことが難しくなっていました。コナギは窒素吸収力が強いため、3)稲に必要な窒素を奪い、稲の「分げつ(イネ科植物に見られる植物の一本の株から複数の茎が新たに生えてくる現象4))」が進まず、米の収穫量が大きく落ちてしまいます。

そこで、刃部が爪の形をしている備中鍬(びっちゅうくわ)5)を用いて水田の泥ごと掘り起こすか、体をしゃがめて手を使い丁寧に根から引き抜く必要がありました。

猛暑の中で直射日光を浴びながら行う除草作業は正直、心と体が擦り減ってしまうほど辛いです。でも、私達が除草を行わなければ、稲を守ることはできません。
美味しいお米をたくさん収穫できるよう、私達は地道に除草作業を続けていきます。

(前田)

そんな厄介者のコナギですが、実は食べられることが分かりました。

水田に生える雑草が食べられると聞いて、驚かれる方も多いと思います。

実は、東南アジアではコナギは一般的な野菜のひとつで、市場などでもよく売られている6) そうです。

そこで、私は水田に生えたコナギを持ち帰り、料理してみてどんな味かを確かめることにしました。

図2. 水田から持ち帰ったコナギ

図2は水田から持ち帰り、私の家で撮影したコナギです。

この長い根で、稲に必要な窒素分を横取りしてしまいます。

図3. 水洗い中のコナギ

まず、水道水でコナギについた泥を洗い落としました。

水田の泥には、どんな細菌や寄生虫が潜んでいるか分かりません。そのため、普段食べている野菜以上に丁寧に洗いました。

図4. 重曹水で洗い、根を取り除いたコナギ

最後に念のため、重曹水でさらに洗い、根を取り除いて食べやすくしました。

これで下処理は完了です。

写真だけ見ると、普通にスーパーで売っているような葉野菜に見えますね。(笑)

図5. 一品目:コナギと卵のオイスター炒め

まずは、下処理済みのコナギを卵とオイスターソースで炒めてみました!

火が通りやすくなるよう、若い葉と細い茎を使っています。

味にそこまで癖は無くて、ほうれん草に近い味わい でしたね。

ちょっと繊維を感じましたが、ふんわりとした卵との相性が良くて美味しかったです!

図6. 二品目:コナギの天ぷら

 

次に、コナギを天ぷらにして食べてみました!

白い根元の茎も使ってみたのですが、少しシャキシャキした食感で白ネギとほうれん草の中間の味わいでした。

天ぷらの油のおかげなのか、炒め物と同じように、味に癖は無く食べやすかったです!

図7. 三品目:コナギのおひたし

 

最後は、和風のおひたしを作りました!

コナギと一緒に入っている黄色いものは、黄色いパプリカです。

とても美味しかったのですが、炒め物や天ぷらと比べると「えぐみ」を感じました。

えぐみの正体は、タケノコなどの野菜も持つ「シュウ酸」、特に「シュウ酸カルシウム」の結晶7)だそうです。ただ、この「えぐみ」も慣れると癖になる味わいでしたね。

 3品の中で特におすすめできるのは、コナギ全体を癖なく食べられる天ぷらだと思います!

(前田)

図8. アオミドロの上に集まるヌマガエル

実習農場では、「ヌマガエル(学名:Fejervarya kawamurai 8))」が数多く生息しています。

畦(あぜ)(4月号参照)に生えている雑草の中にも潜んでいて、畦道(あぜみち)を歩くたびに飛び出してくるところが面白いです。

図9. 畦道の雑草の中に潜んでいるヌマガエル
図10. 水面から顔を出しているヌマガエル
図11. ヌマガエル(もしくはツチガエル)のオタマジャクシ(6月3日撮影)

図11は6月3日に撮影した、オタマジャクシの写真です。

2匹並んでいる姿が可愛らしいですね。

目が中央に寄っており,尾に大きな黒斑がある9)ことからヌマガエルだと推定しました。

環境生物科学科の土田さやか先生のお知り合いに写真を見てもらったところ、「おそらくヌマガエルであると思われるが、愛知県はツチガエルの生息地でもある ため、この画像のみでは判別できない(ツチガエルは愛知県では少ないものの、全く確認されないわけではない) 。」との返事をいただきました。「ツチガエル( 学名:Glandirana rugosa 10))」のオタマジャクシには尾に銀白色の斑点11)があるそうなのですが、図11のオタマジャクシには銀白色ではなく黒い斑点が見られたので、個人的には恐らくヌマガエルではないかと考えています。

図11のオタマジャクシの体には大人のヌマガエルと似た、まだら模様が数多く見られます。

もしかしたら、図8~図10のカエル達の中に、成長した図11のオタマジャクシが紛れているかもしれませんね。

図12. 二ホンアマガエルのオタマジャクシ(6月10日撮影)

次に、こちらも水田で撮影したオタマジャクシです。6月10日に撮影しました。

丸っこい姿に思わず惹かれてしまいますね。

私は、「ニホンアマガエル (学名:Dryophytes japonicus 12))」のオタマジャクシだと推定しています。

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・和歌山研究林にて研究員として在籍している野田叡寛さんの記事によると、アマガエルのオタマジャクシは『横から見ると尾は高く胴体の前方から大きく立ち上がるようについています。13)』との記載があったためです。

図12のオタマジャクシの尾も胴体の高い位置から生えていて、尾ひれが胴体の上から斜めに生えているように見えたので「ニホンアマガエル」だと考えました。 写真を図11のオタマジャクシと同じように、土田さやか先生のお知り合いに見てもらったところ、「おそらくアマガエルのオタマジャクシで間違い無い。」と返事をいただきました。私の予想が当たって嬉しいです!

(前田)

図13. コナギの影響を受けていない稲
(7月31日 午前9時頃撮影)

図14. コナギの影響を受けた稲
(7月29日 午後3時頃撮影)

7月になってからは、コナギが猛威を振いはじめたことにより、場所によって稲の生長の差が目立つようになりました。

図14のように、コナギに栄養を取られてしまい、細くなってしまった稲を見るたびに可哀想な気持ちになってしまいます。

コナギを中心とした雑草達から稲を救うため、サポーターズ一同で夏休み中の除草作業に励んでいこうと思います。

サポーターメンバーで時間に余裕のある方は、ぜひ農場へ来ていただけると嬉しいです!

(前田)


引用

1)気象庁.”令和8年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)”国土交通省.2026.

(2026年8月4日閲覧)

2)土を乾かす「中干し」 | 田んぼの管理と被害対策 | お米ができるまで | クボタのたんぼ [学んで楽しい!たんぼの総合情報サイト]

(2026年8月16日閲覧)

3)コナギってどんな雑草。コナギの特徴と除草のコツを紹介 – 農業メディア│Think and Grow ricci

(2026年8月12日閲覧)
(2026年5月6日更新)

4)「分けつ/分げつ」の意味|百津屋商店 

(2026年8月14日閲覧)

5)取扱商品|相田合同

(2026年8月10日閲覧)

6)自然を味わう手しごと vol.3|田んぼの雑草「コナギ」をおいしく味わう|響 hibi-ki  文・写真 松橋 かなこ

(2026年8月10日閲覧)

7)えぐみとは?その意味や食材ごとの取り方をご紹介|デリッシュキッチン

(2026年8月14日閲覧)
(2022年3月20日作成)

8) 9)ヌマガエル|広島大学デジタルミュージアム

(2026年8月14日閲覧)
(2026年6月20日更新)

10) 11)ツチガエル|広島大学デジタルミュージアム

(2026年8月14日閲覧)
(2026年6月20日更新)

12)ニホンアマガエル|広島大学デジタルミュージアム

(2026年8月14日閲覧)
(2026年6月20日更新)

13)知っているようで意外と知らない?カエルとオタマジャクシのこと|野田叡寛|ブンイチ(文一総合出版)|note

 (2026年8月12日閲覧)  
 (2026年5月11日更新)  

作成者:星野、奥、前田